↑メス
↑オス(下)とメス(上)
ツマグロヒョウモンチョウのメスは翅の先が白黒の模様になっています。こうなっている理由はカバマダラという毒を持つ蝶(と言っても鳥が食べるとその鳥が苦しむというもので、人間が触ってかぶれるような毒ではありません)に似せた柄になっていて、鳥がこのメスの蝶を捕まえて食べるのを防いでいるそうなんです。これを難しい言葉で「擬態(ぎたい)」といいますが、
この擬態がニッポンでちゃんと役に立っているかどうかわかりません。なぜならカバマダラはあまりニッポンにいない蝶らしいので、ニッポンの鳥たちもカバマダラを見たことないかもしれないから「危ない!」って知らないんじゃないか?という反論があります。
でも実はツマグロヒョウモンチョウは、オスもメスも「すばらしい擬態」を別に持っています。
それはツマグロヒョウモンチョウの幼虫の蛹一歩手前まで成長したやつには、体中にトゲがいっぱい生えていて、見るからに触ると痛そうで、ニッポンの子ども達に「きっとアイツに触ると痛いぞ!」と思わせるに十分な迫力を持っている、そんな姿しています。
ニッポンの子ども達は、トゲトゲの生えたイモムシやケムシには絶対に触らない、ってことをツマグロヒョウモンチョウは知っているのでしょう。だからトゲトゲの痛いイモムシに「擬態」して、子ども達が触ってイタズラするのを防いでいる。そう考えても、きっとおかしくないでしょう。
でも実はこのトゲトゲの幼虫は痛くもなければ毒もない。完全にイタイイモムシのコスプレなんですね。
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