カミキリムシは髪を切るほどアゴが強い。子どもの頃に髪だと思わずに紙だと思い、カミキリムシを捕まえては画用紙をアゴに挟んで紙を切らせて遊んだことが何度もあります。だから私は最近になるまでてっきりあれは「紙切り虫」なのかと思っていました。
中学1年生のとき、なかなか学校に登校したがらない同級生をボランティアで迎えに行き、「あの、まだ朝ご飯食べているんで・・・」とその子のお母さんが言うので表で友人と待っていました。庭先には桑畑があり、そこにゴマダラカミキリが何匹も住んでいたので、それを捕まえてキィキィ鳴かせました。たぶん嫌がって鳴くのでしょう。「かわいいヤツ」と思いました。
ゴマダラカミキリはかわいいです。
黒自に白い点々をあしらった体に、大きな目と触覚の生えた顔を見るとネコみたいです。
それがキィキィ鳴くので、親猫から離して抱いた子猫が怖がってニャーニャー鳴くのと「同じだわ!コレ!」なんて話しながら友人と待っていたら、やっとその同級生が玄関から出て来ました。時計を見るともう遅刻寸前!
慌てる様子もない同級生をせかして教室に入ると、もう1時間目の社会科の先生が教室にいて・・・
「遅刻するな!バカモノ!」と同級生もろともお迎えボランティアの私と友人も社会科の先生に怒鳴られました。このゴマダラカミキリにはそんな思い出があります。
だけど私も友人も遅刻の理由説明をしませんでした。理由を言ったらその同級生の心の病を教室でみんなにさらけ出すことになってしまうからです。
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