ニホンジカは在来種のシカですが、各地で困った存在となている代表的な動物のひとつです。このニホンジカが森の若木や芽を食べて荒れさせてしまったり、畑に入り込んで作物を食い荒らす「食害」はこのように日本在来種で起きるから、外来種だけを駆除したら日本の自然は復活するというものではない!という例になります。これが日本の生態系の乱れを考える教訓になるのでは?と私は思っています。
ニホンジカは決して良くない存在ではありません。
シカと言えば奈良の鹿は世界的に有名になりました。外国から来た観光客は他国にあまりこういう街にいる鹿に餌をあげられる体験ができないから、珍しくて鹿と遊べてたいへん喜ぶような、観光の目玉になっています。それが嵩じて上述にように人々とのかかわりによって奈良の鹿だけは昼行性です。他の地域では昼に出てくると鉄砲で打たれそうで怖いから夜行性でいるのでしょうか。桂坂近辺では北の山側や老いの坂あたりでは昼間でも見かけることがあります。ここらでは猟師が来ないので少し安心感を持っている鹿もいるのかも。
こんなに可愛がられる街の鹿だったら、京都でも他でもどこでももっと奈良の鹿みたいなことを取り組んだらいいのに!と私はそう思ったこともありましたが、現実はそう手放しでは喜べないようです。奈良の鹿の食害というのも、やっぱりあるのだそうです。しかも人為的に集めた鹿たちが農作物なども食べて迷惑かけるもんだから「誰がこの鹿をここに集めて、どんな管理やっているんだ!」と被害を受けた人達の憤懣も大きいということだそうです。
ニホンジカは比較的おとなしい動物だから、人里に出てきても熊のように恐ろしくなく、カラスのようにゴミを荒らしたりもせず、桂坂公園にいっぱい落ちているシカの糞も、少し気になるぐらいで、人間のうんちみたいな独特の臭みに比べるとマシなニオイなので、今のところは桂坂では害獣だと扱われていないように思います。桂坂の住民が寝静まる頃に山から出てきたニホンジカ達は緑道や公園に生えている芝なんかを食べているのでしょうね。
たまに学校の中に入って来る鹿もいました。迷って入って来たのか、積極的に生活の場として学校を選んだのか分かりませんが、かつて小学校の中に鹿が実は住んで暮らしていたようだ!という話を先生から聞きました。鹿を発見したので外へ追い出したら、やがてまた学校の中を歩いているのが見つかり、よく調べたら人のあまり行かない校内の隅の草むらに動物が寝泊まりしたような跡を発見したとか。鹿はふだん見えないようにしていながら実はすごく近いところに居るのかもしれません。
いったいニホンジカとはこの先どうやって人間生活と共存して行ったらいいのか?しばらく議論が続きそうです。
千葉県では飼育場所かた逃げ出したキョンという外来種のシカが増えて食害が起きたらしいです。キョンは「外来種なので駆除!」という日本社会の合意ができています。なのでキョンは駆除されて、そのうちいなくなるのでしょう。
外来種は駆除だけどニホンジカは在来種。在来種は大事に扱うというのも、これも日本社会の合意のようです。だけど被害を起こす在来種のニホンジカ。今は計画的に狩猟して頭数を調整して行きましょうのような解決策がいいのでは、となっていますが、この先の将来、今の子ども達は大人になってどのようにその対策を継承、または改革していくのでしょうか。
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