シモフリスズメ

↑尾側

「シモフリスズメ」って初めて聞いた人はきっとスズメに似た小鳥のことかと思ってしまうでしょう。でもシモフリスズメは実は鳥ではなくて蛾(ガ)です。

蛾の仲間に「ズズメガ」というグループがあります。飛行機のような流線形の少し太めの体つきの蛾で、後翅に比べて大きな頑丈そうな羽を高速で動かし、ブンブン言わせて素早く飛び回る蛾です。

俊敏に飛ぶ姿がスズメようだということが由来してスズメガという名前ができました。

スズメガの仲間はたくさんいるので、大抵は「蛾」を省略して「なんとかスズメ」というネーミングになっています。シモフリスズメは霜降り柄なので「シモフリスズメ」になりました。けっこう大きな蛾で、翅を広げると手のひらぐらいになるそうです。翅を閉じたシモフリスズメは霜降り柄がシックで木の幹の模様との相性がバツグン!木肌迷彩色といった具合で目立ちません。だから気づかずに偶然この大きな蛾に触ってしまって「あっ('◇')ゞとビックリ!!」な蛾になることもあります。

きっと触った途端に飛行機の発進のようにビュッと音を立てて飛んで行ってしまうでしょう。

「まったく飛行機のような蛾ですね」と思ったひと、蛾を眺めて不思議だと思いませんか?なぜ飛行機には尾翼があるのにシモフリスズメはじめ蛾にも蝶にもトンボにも尾翼が無いのにうまく空飛べるのでしょうか?

それは生きものだから!?

でも鳥には尾がついているでしょう。

「鳥に垂直尾翼みたいな尾は無いやんか!」と、反論もあるでしょう。

しかし初期の飛行機には鳥の尾みたいに垂直尾翼が無くて、まさに鳥の尾みたいな尾翼を捩じって操縦する式の飛行機がありました。ふつう、安定飛行には尾翼が役立つのですが、なぜか?昆虫より高度な頭脳の鳥は尾が無いとうまく飛べないのに、蛾たちは尾翼とか鳥の尾みたいなものが無くても自由に飛び回れるのはなぜか?

これは昆虫の羽の動かし方に秘密があります。

詳しいことはネットで調べてみて欲しいですが、昔ある人がトンボの羽の動かし方はフルタイム四輪駆動車よりもっともっと高度な「フルタイム四枚翅操縦虫だ」と言いました。4枚の翅をそれぞれ別々に動かすことが可能な仕組みが備わっているのだということです。

話しは元に戻ってシモフリスズメ。

シモフリスズメの幼虫は上の写真のように少しグロな雰囲気出していますが、観つづけていると愛着を感じ始めて可愛らしく見えてきます。そっと手に持つと手のひらをモコモコ歩きます。この幼虫が成長すると大人の中指と同じぐらいの大きさになるでしょう。飼えばそんな幼い虫の成長を一緒に喜ぶことができます。実際にこの幼虫を飼う人も一定数いて、親の蛾まで大切に育て、その様子を写真に撮ってブログにあげている方々もけっこういます。

桂坂にも探せばシモフリスズメが見つかりますので、やってみよう!と思う方々は飼って育ててみてはいかがでしょうか。

京都市桂坂 動物図鑑

京都市西京区桂坂で見つけた動物を紹介します。

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